葉の上にあるカプセル

実は性感染症は非常に身近な病気と言うと、意外な感情を抱くかもしれません。日本人女性の5人に1人は一生のうちに一回は、症状に悩まされるといわれるほど頻繁に経験されるのが膣カンジダという性感染症になります。疲労が蓄積するなど免疫機能が低下するなどの、ちょっとしたきっかけがあれば誰でも発症する可能性があるそうです。それというのも、この病気の原因菌は女性だけでなく男性でも身体に生息するありふれた微生物だからです。

カンジダは誰でも持っている常在菌で感染する

カンジダというのはカビの一種で、水虫の原因となる白癬菌に近い微生物です。カビといえば湿気と温かい環境さえそろえばどこでも生息し、繁殖することが出来るメカニズムを持っています。一定の体温と水分は人間の身体であればどこでも確保することが出来ます。そのため全身の皮膚をはじめ、口腔粘膜や腸粘膜などの消化管から、性器に至るまでいたるところに生息しているのです。人体にはこれ以外にも様々な微生物が生息しており、有益な役割を担うものから強い病原性を発揮するものまで性質も異なります。人体にとって有益な性質をもつ微生物として乳酸菌、有害で病原性を持つ微生物にブドウ球菌などをあげることができます。このように人体に常に生息している微生物のことを、常在菌と呼んでいます。

カンジダも常在菌の一種ですが、性質としては乳酸菌やブドウ球菌などの中間の性質をもっている常在菌の一種になります。人体の免疫機能が正常に維持されている限りは、一定数以上の数に繁殖することはありませんが、疲労の蓄積や糖尿病・肥満や慢性の消耗性疾患などで免疫機能が低下する状況に直面して常在菌のバランスが崩れると爆発的に増殖を開始することがあります。そのような段階に至ると病原性を発揮し様々な症状が出現すつようになる訳です。
そのため特段の感染経路を経由することなく、常在菌バランスが崩れることで自然発生することがあるのは常に念頭に置くべき事実といえます。

カンジダの症状

カンジダは全身のあらゆる部位で生息する常在菌なので、皮膚や口腔粘膜や消化管などで繁殖して症状をもたらす可能性があります、最も頻繁に経験されるのは、陰部がヒリヒリすると言うものです。陰部とは外陰部や膣などの部位で、異常繁殖し炎症をひきおこすのが典型的な症状と言えます。
ヒリヒリするというのは、痒みのバリエーションの一種です。痒み症状には個人差があり、むず痒いレベルで止まっている場合もあれば、痛みを覚えたり陰部に灼熱感を覚えることもあるのです。ヒリヒリするのは痒みのレベルが中程度に達していることを意味しています。

痒みなどの自覚症状のほかにも、外陰部が赤くはれたり、発疹が見られるなど肉眼でも観察できる変化が同時に観察されることもあります。
そして特徴的な症状としては、オリモノの変化も重要です。オリモノの分泌量が増加するだけでなく形状や色合いの変化にも注意を払う必要があるのです。特に色合いが黄色くなったり白濁するなどの見た目が変化すると同時に、臭いを感じることもよくあります。オリモノに普段と異なる状況が観察されると同時に、痒みやヒリヒリする症状に心当たりがあれば、カンジダの症状を疑う必要があります。

同時に気をつけるべきなのは、全身状態の確認です。糖尿病やがんなどの慢性消耗性疾患の治療中などのコンディションはしばしば免疫力の低下を招きます。また恒常的に消炎鎮痛剤を使用しているときも要注意です。

カンジダを完治するまで性行為は控える

カンジダは主に膣に痒みやヒリヒリが発生する傾向が顕著なので、性感染症の範疇で考えられることが多いのは確かです。しかし性行為をしなくても感染するので、性行為が必ずしも感染経路になっているわけではなく、免疫機能が低下しすることで自然発生することがよくあります。従って感染経路を探索することにはさほど意味がありませんが、治療中は性行為を控えることが肝要です。性行為そのものが、患部への刺激要因になるので治癒するまでの時間が長期化するリスクが高くなりがちです。患部の安静を諮るのは、炎症を沈静化するためのコンディション作りの点でも大切といえます。

ところで治療としては軟膏剤や膣錠が中心です。抗真菌成分を配合した軟膏剤を外陰部に塗布するのが一般的な治療になります。ただし膣は軟膏剤では十分に抗真菌成分を浸透させるのが難しいので、膣錠が併用されることもよくあります。軟膏剤や膣剤の単独あるいは併用で、完治させることが出来ます。抗真菌剤が効果を発揮するので完治させるのはそれほど困難を伴うことはありません。

しかしながら再発する場合もあるので注意が必要です。再発する原因には膣が、適度な水分と体温という真菌類が増殖するのに万全の条件がそろっているから。また全身の免疫力が低下する糖尿病などの基礎疾患をもっていると、常に再発のリスクを抱えることになります。一度発症した経験のある方は、再発に注意を払う必要があるといえます。治療薬で人気があるのは、ニゾラールクリームで、主成分であるケトコナゾールが、カンジダの原因菌であるカンジダ菌に抗菌作用があり、かゆみの緩和もします。ニゾラールクリームでカンジダを治療してみるのも良いでしょう。

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